【読書感想】コンサルを超える① マッキンゼーとボスコンの違い
3行まとめ
- マッキンゼーは最初から答えを言うが故に、スピード感はあるものの、クライアントが付いて来れるかが懸念。ボスコンは、クライアントと伴走するため、実行力はあるものの、時間が掛かる点が難点。
- 情報が溢れ、少し調べれば様々な情報が見つかる今の世の中において、コンサルタントが目から鱗が落ちるような解を出すケースは減っており、人や組織を動かす力のほうが重要になってきているところがある。
- 特に昔ながらの日本企業の方がその傾向が強いように感じる。大変ではあるものの、それは日本企業の「のびしろ」とも言えるのかもしれない。
『コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法』
- 第一部:コンサルの基本技
- 第二部:超一流コンサルのスゴ技
- 第三部:コンサルを目指す コンサルを超える
マッキンゼーとボスコンの違いとは?
戦略系の二大コンサルと言えば、マッキンゼーとボスコン(ボストン コンサルティング)ですが、この2社は以下の特徴があるそうです。
ファクトベース。決められた形どおりにファクトを集め、新人でも、正しい分析とそこから導き出される答えを得ることができるよう、優れたプログラムを持っている。最初に答えを言うアプローチで、原則として1プロジェクト3か月。欠点は、本来総合芸術である問題解決が分析に留まりがちなこと、場合によってはクライアントから反発を受け、せっかくの戦略が(たとえ正しくても)受け入れられない場合があること。
ボスコン
クライアント企業の社内に入り込み、問題解決への道のりを手取り足取り、社員とともに試行錯誤しながら伴走。最初から答えを示すのではなく、相手が自分で気付くように導くため1プロジェクトが3年以上になる場合も。欠点は、顧客に自ら気付かせるアプローチ故に、コンサルタントの価値に気付けなかったり、回りくどさにイラつくことがあること。
マッキンゼーは最初から答えを言うが故に、スピード感はあるものの、クライアントが付いて来れるかが懸念。ボスコンは、クライアントと伴走するため、実行力はあるものの、時間が掛かる点が難点。言い方を変えると、クライアントにとっては、3か月で1割の成果(吸収できる部分だけ)取るか、3年で7割の成果(高い理解・実行力)を取るかの選択とも言えるとのこと。
現場をいかに動かせるか、巻き込めるかがポイント
先に書いておくと、マッキンゼーを批判している訳ではありません(笑)
でも、今はボスコンの方が共感できます。
最近特に感じることなのですが、情報が溢れ、少し調べれば様々な情報が見つかる今の世の中において、コンサルタントが目から鱗が落ちるような解を出すケースは減っていると思います。
どちらかというと、課題や解決方法は分かっているけれども、人が動かない・組織が動かないということの方が多いんじゃないですかね?特に日本企業の場合は。
そういう意味で、答えを出すことよりも、現場が納得し、現場が主導して改革を進める、つまり人や組織を動かす力のほうが重要な気がするんですよね。
現代の世の中において、3年は確かに長いかもしれないです。ただ、会社を動かすような改革はそれくらいかかるんです。もっと言うと、会社に文化・考え方が根付いて変わるのであれば、3年はむしろ短いです。
最後に
昔ながらの日本企業の方が、人を動かす・組織を動かすの重要性が高いように見えます。大変だなと思うこともありますが、一方でそれって日本企業の「のびしろ」なんですよね。
日経平均が1,000円以上下がった今日。また不況な時代が始まるのかもしれません。コンサルタントは、これからの世の中でどんな価値を提供できるのか、改めて考えたいと思います。
本日は以上です。
2018/12/25(火) 総アクセス数:4353