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あなたは「選手」なのか「監督」なのか

3行まとめ

  • 「部下に仕事を任せることが下手な人が増えている」気がする。その根本原因は「部下を持ったのに、部下を持つ前と同じマインドで仕事に臨んでいる」ことだと思われる。
  • すなわち、上司の役割は「選手ではなく監督」なのに、「部下のパフォーマンスのみで自分自身の評価する」くらいでちょうどよいのに、自分で成果を出そうとしている上司が多いのだ。
  • あなたが求められている役割は「選手」なのか「監督」なのか、今一度振り返ってみるといいのかもしれません。

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今、部下に仕事を任せる難度が上がっている「3つの理由」

皆さんは部下がいますか?
その部下に対して、どんな風に仕事を任せていますか?

 

現代の世の中では、以下3つの理由で部下に仕事を任せることが難しくなっているようです。

1つめは、管理職として、新規事業などのイノベーション創出を求められており、自分が過去に取り組んだことがない課題解決を部下にまかせなければならない難しさ

2つめは、新たな職種が生まれたり、職種が細分化する中で、自分にない専門性を持つ部下をマネージする難しさ。特にこれは、技術的革新の早いIT業界で顕著ですね。

そして3つめは、部下とのジェネレーションギャップを克服する難しさです。特に「ミレニアル世代」と呼ばれる人たちとは、そもそも働くことに対する価値観からして異なりますから。

www.businessinsider.jp

 

なるほど、確かにそういう側面もあるかもしれないですね。
ただ、私の周りでは上記に加えて、別の視点でも部下に仕事を任せることが難しくなっているようです。

 

もっと正確に言うと「部下に仕事を任せることが下手な人が増えている」のです。

 

 

上司になったら、自分の評価ポイントを変えるべき

なぜ部下に仕事を任せるのが下手なのか?
前述の3つ含め、理由は多々あると思います。
ただ、根本原因は「部下を持ったのに、部下を持つ前と同じマインドで仕事に臨んでいる」ことにあることが多い気がします。

 

多くの人は「昇進して部下を持つようになる」=「これまでの自分の実績や能力が認められた」と捉えます。
もちろん、それは間違いのないことでしょう。
ただ、「すなわち、これからより一層、その能力を発揮することが期待されている」と捉えてしまうと大きな間違いです。

 

野球に例えるのであれば、部下を持つまでは「選手」として活躍することが役割であり、自分で打席に立って点を取ることが仕事です。

ところが、上司、特にマネジメント層と呼ばれる人達に近づいていくと「選手」ではなく、「監督」の役割が求められます。すなわち、打席に立つのではなく「選手の能力を最大限に活かすことで試合に勝つ」ことが仕事になるのです。

 

打席に立つために筋トレをして、結果、相手の分析や選手の活用が疎かになれば、それは間違いなく監督として本末転倒です。野球に例えるととても分かり易いですが、一般の仕事だとその本末転倒な行動を取っている人が多いのです。

 

対策は簡単です。
部下を持ったその瞬間から自分の評価ポイントを改めればいいのです。

もっと具体的に言うと、自身のスキルやパフォーマンスによる評価は一切行わず、「部下のパフォーマンスのみで自分自身の評価を行う」ようにすればよいのです。

 

 

部下に仕事を任せる難度が上がっている「3つの理由」②

さて、では何故なかなか監督のマインドになれないのか?
その理由は3つあると思います。

 

1.周りからの視線・評価

自分自身で成果を挙げない、という方針はなかなか勇気がいることです。
なぜなら、周りがそのような「上司としての役割」を理解しているとは限らないからです。場合によっては「最近、あいつ自身は何も成果挙げていないんじゃない?」とすら言われてしまう可能性があります。(もしかすると、その可能性の方が高いかもしれません。)

 

2.プレイングマネージャの存在

突出して優れた人物はどの世界にも存在し、そういう人は「プレイングマネージャ」という「選手兼監督」の役割を担えてしまっています。そのような存在が「自分は選手としても活躍しなければいけない」という強迫観念を作ってしまうのです。

 

3.ピラミッド構造の崩壊

人口減少と効率化により、現代は最小限の人数で業務を回すことが多いです。そのため、上司に対して部下の人数が以前よりも少なくなっているように思います。

極端な話かもしれませんが、部下が100人いれば「監督」として部下のパフォーマンスを10%向上させれば、10人分のパフォーマンスを出したことになります。ところが、部下が5人だと、1人当たりのパフォーマンスを10%向上させてもそれは0.5人分のパフォーマンスにしかならず、だったら自分が能力を発揮したほうが早い、ということになってしまいます。

つまり、組織のピラミッド構造の崩壊が「監督」業に専念しづらくしているのです。

 

いずれの理由に対しても現時点で明確な反論はありません。
もしかすると現代では「上司であろうと監督よりも選手としての役割を求めている」ことの方が多いのかもしれません。ただ、監督としての役割がゼロということもないでしょう。


自分が求められている役割は何なのか 、今一度振り返ってみるといいのかもしれません。

 

本日は以上です。

 

2018/10/02(火) 総アクセス数:1,401

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